2021年05月16日
恣意
言葉を意味として理解していても、
心が感じているかは分かりません。
楽しい、悲しい、寂しい、恋しい。
愛しい、苦しい、虚しい、欲しい。
美しい、親しい、優しい、貧しい。
新しい、難しい、嬉しい、正しい。
曖昧な感情を曖昧な言葉で固定し、
理解したつもりになっているから、
交わす言葉の解釈に齟齬が生まれ、
出来た溝を埋めることも出来ずに、
勘違いしたまま、すれ違ってゆく。
すれ違いながら、歩み寄ってゆく。
心が感じているかは分かりません。
楽しい、悲しい、寂しい、恋しい。
愛しい、苦しい、虚しい、欲しい。
美しい、親しい、優しい、貧しい。
新しい、難しい、嬉しい、正しい。
曖昧な感情を曖昧な言葉で固定し、
理解したつもりになっているから、
交わす言葉の解釈に齟齬が生まれ、
出来た溝を埋めることも出来ずに、
勘違いしたまま、すれ違ってゆく。
すれ違いながら、歩み寄ってゆく。
Posted by 紫風子 at
19:53
│感 ( sentimental )
2021年02月11日
虚ろは移ろわず
感情が曖昧だから、
言葉に置き換えて独立させたら、
不明瞭な輪郭が、
心に浮かび上がり世界を狭める。
見えなかったものが、
見えるようになり、
同時に、
見えていたものが、
見えなくなってしまった。
毎日、歩いていたら街路樹の葉が、
段階を踏んで色彩を変化させるように、
流動的な感受性を、
固定して束縛したことが、
きっと間違いだったのだろう。
風が強い昼下がり。
見方一つ変えれば、
景色は違って映るはずなのに。
言葉に置き換えて独立させたら、
不明瞭な輪郭が、
心に浮かび上がり世界を狭める。
見えなかったものが、
見えるようになり、
同時に、
見えていたものが、
見えなくなってしまった。
毎日、歩いていたら街路樹の葉が、
段階を踏んで色彩を変化させるように、
流動的な感受性を、
固定して束縛したことが、
きっと間違いだったのだろう。
風が強い昼下がり。
見方一つ変えれば、
景色は違って映るはずなのに。
Posted by 紫風子 at
12:16
2018年11月18日
知っています
「可愛いですね」と褒められました。
知っています。
「不細工ですね」と貶されました。
知っています。
「優しいですね」と言われました。
知っています。
「性悪ですね」と吐き捨てられました。
知っています。
「変態ですね」と笑われました。
知っています。
「鬼畜ですね」と気味悪がられました。
知っています。
「内股ですね」と指摘されました。
それは知りませんでした。
ありがとうございます。
知っています。
「不細工ですね」と貶されました。
知っています。
「優しいですね」と言われました。
知っています。
「性悪ですね」と吐き捨てられました。
知っています。
「変態ですね」と笑われました。
知っています。
「鬼畜ですね」と気味悪がられました。
知っています。
「内股ですね」と指摘されました。
それは知りませんでした。
ありがとうございます。
Posted by 紫風子 at
21:40
│呟 ( talking )
2018年11月12日
ありません
好意に理由はありません。
嫌悪に原因はありません。
楽観に根拠もありません。
悲観に所以もありません。
性格に子細がありません。
存在に原理がありません。
本当に本当にありません。
本当に本当はあるけれど。
嫌悪に原因はありません。
楽観に根拠もありません。
悲観に所以もありません。
性格に子細がありません。
存在に原理がありません。
本当に本当にありません。
本当に本当はあるけれど。
Posted by 紫風子 at
20:00
│嘘 ( liar )
2018年11月07日
勘違いしている
暗いんじゃない。
深いんだよ。
臆病じゃない。
慎重なんだよ。
冷めてるんじゃない。
冷静なだけ。
弱いんじゃない。
繊細なの。
うん。
詭弁だよ。
深いんだよ。
臆病じゃない。
慎重なんだよ。
冷めてるんじゃない。
冷静なだけ。
弱いんじゃない。
繊細なの。
うん。
詭弁だよ。
Posted by 紫風子 at
19:25
│嘘 ( liar )
2018年06月03日
古今
悔しくて歯ぎしり。
している癖に、
いざ強い存在に出会うと卑屈に笑って、
頭(こうべ)を垂れる。
汚泥を啜ることに慣れた振りをして。
無視されても平気なんだと演技して。
苛立つと、よく爪を噛みます。
根元まで噛み過ぎた両手の爪は、
マニキュアを塗っても栄えないのです。
情熱を燃やそうと躍起になっても、
立ち向かう勇気がないから燃えた炎は、
すぐに消えてしまう。
それでも生きています。
ただ卑屈に。
自分を卑下すれば歩くことは楽だから。
「マイペースの賜物だね」
と、貴方は言ってくれるけど――。
それは、きっと、違います。
違うけれども、その解釈に有り難うと言いたい。
言葉に騙されそうになる自分の甘さ、
変わらないのは今も昔も。
している癖に、
いざ強い存在に出会うと卑屈に笑って、
頭(こうべ)を垂れる。
汚泥を啜ることに慣れた振りをして。
無視されても平気なんだと演技して。
苛立つと、よく爪を噛みます。
根元まで噛み過ぎた両手の爪は、
マニキュアを塗っても栄えないのです。
情熱を燃やそうと躍起になっても、
立ち向かう勇気がないから燃えた炎は、
すぐに消えてしまう。
それでも生きています。
ただ卑屈に。
自分を卑下すれば歩くことは楽だから。
「マイペースの賜物だね」
と、貴方は言ってくれるけど――。
それは、きっと、違います。
違うけれども、その解釈に有り難うと言いたい。
言葉に騙されそうになる自分の甘さ、
変わらないのは今も昔も。
Posted by 紫風子 at
11:00
│呟 ( talking )
2018年05月22日
重ねる
冷たい風に身を縮ませながら上着を重ね、
並木道に向かって、一歩一歩、歩を重ね、
貴方の待ている場所に向かっている時の、
高揚感といったら――。
頭上に生い茂る街路樹も、
今は見る影も無くなって散り散りで。
剥き出しの枝葉が心に突き刺さるような、
そんな気がしてくる。
歩く先に貴方の姿を見つけて胸ときめく。
けれども、そんな気持ちを悟られないように、
嫌々、来ましたというような演技を重ね、
足元に広がる病葉を踏み重ね、
「嫌いだけどね」と嘘の台詞を重ね、
それでも自然な流れで唇を重ね、
きっと貴方は私に違う誰かを重ね――、
ているだけなんだと、そう思うけどれども。
それでも。
**********
今日、久し振りに、あの時の並木道を歩いてきた。
生い茂る街路樹は、あの頃と違って色鮮やかで、
私は冬が終わったことを改めて知る。
いや、今、何月だよって思うけど。
もちろん、並木道の先に貴方は居ない。
居ないことに安堵している自分が居る。
心の冬も終わりを告げたことを改めて知る。
歩を重ね、
言を重ね、
心を重ね、
唇を重ね、
それで得られた人生の豊かさね。
満ち足りた気持ちは、結局、刹那的なものだったけど、
そんな冬の思い出も今となっては心地よく思える。
そう思う。
――と、
自分自身に嘘を重ねる。
並木道に向かって、一歩一歩、歩を重ね、
貴方の待ている場所に向かっている時の、
高揚感といったら――。
頭上に生い茂る街路樹も、
今は見る影も無くなって散り散りで。
剥き出しの枝葉が心に突き刺さるような、
そんな気がしてくる。
歩く先に貴方の姿を見つけて胸ときめく。
けれども、そんな気持ちを悟られないように、
嫌々、来ましたというような演技を重ね、
足元に広がる病葉を踏み重ね、
「嫌いだけどね」と嘘の台詞を重ね、
それでも自然な流れで唇を重ね、
きっと貴方は私に違う誰かを重ね――、
ているだけなんだと、そう思うけどれども。
それでも。
**********
今日、久し振りに、あの時の並木道を歩いてきた。
生い茂る街路樹は、あの頃と違って色鮮やかで、
私は冬が終わったことを改めて知る。
いや、今、何月だよって思うけど。
もちろん、並木道の先に貴方は居ない。
居ないことに安堵している自分が居る。
心の冬も終わりを告げたことを改めて知る。
歩を重ね、
言を重ね、
心を重ね、
唇を重ね、
それで得られた人生の豊かさね。
満ち足りた気持ちは、結局、刹那的なものだったけど、
そんな冬の思い出も今となっては心地よく思える。
そう思う。
――と、
自分自身に嘘を重ねる。
Posted by 紫風子 at
17:00
│感 ( sentimental )
2018年05月15日
性分
優しい言葉をかけられて不安になる。
冷たい態度をとられて不安になる。
心が奪われている時は、
どんな言動も行動も、
気持ちが駆け巡って、
余計な想像が膨らんでしまい、
最後は不安になってしまうんです。
冷たい態度をとられて不安になる。
心が奪われている時は、
どんな言動も行動も、
気持ちが駆け巡って、
余計な想像が膨らんでしまい、
最後は不安になってしまうんです。
Posted by 紫風子 at
20:15
│感 ( sentimental )
2018年03月21日
10カウント
一番、悲しいことは、
二号さんだと知った瞬間。
三角関係の末に手に入れた恋だったのにと、
四階の窓から白み始めた空を見て嘆息する、
五時過ぎの夜明け。
六骸の隅々まで行き渡る情動を、
七夜と思い馳せていたはずなのに、
八の字を寄せて貴方は別れを告げるから、
九部咲きの桜を眼下に捉えながら、
十まで数えて逝くのです。
二号さんだと知った瞬間。
三角関係の末に手に入れた恋だったのにと、
四階の窓から白み始めた空を見て嘆息する、
五時過ぎの夜明け。
六骸の隅々まで行き渡る情動を、
七夜と思い馳せていたはずなのに、
八の字を寄せて貴方は別れを告げるから、
九部咲きの桜を眼下に捉えながら、
十まで数えて逝くのです。
Posted by 紫風子 at
20:20
│詩 ( poem )
2018年03月04日
曖昧カテゴライズ
雨が降っていたはずなのに、
気がつけば太陽が照っている。
刹那の風景。
さっきまで泣いていたはずなのに、
気がつけば笑顔を浮かべている。
刹那の情動。
切り替わりの激しさを感じながら、
定義づけで物事を判断して生きている、
そんな私の日常。
気がつけば太陽が照っている。
刹那の風景。
さっきまで泣いていたはずなのに、
気がつけば笑顔を浮かべている。
刹那の情動。
切り替わりの激しさを感じながら、
定義づけで物事を判断して生きている、
そんな私の日常。
Posted by 紫風子 at
00:25
│呟 ( talking )